相続税 2017.10.02
生命保険に相続税ってかかるの!? 生命保険の税を解説!
生命保険の相続税などの税対策は、全部で3つあります。所得税として扱われるケース、そして贈与税として扱われるケース、さらに、相続税として扱われるケースです。それぞれ、どのようなパターンにしても、妻や子供が受け取った時点で、税は発生してしまいます。
その関係性は、主に保険料を誰が負担しているかで異なります。
生命保険が相続税の対象となるパターン
先程、生命保険を誰が保険料を払い、誰が対象となっているかによって、所得税、相続税、贈与税に分けられるとお伝えしました。では、生命保険が相続税の対象となるパターンはどのようなものでしょうか。
それは、保険料の負担者が本人で、なおかつ被保険者が本人で、そして受取人だけ、妻もしくは子などのパターンです。この場合、自分の財産が転移することになりますので、相続になります。
これが仮に、保険料の負担者が妻である場合、受取人が妻なら所得税、受取人が子供であるなら贈与税になります。少し複雑ですが、夫が夫の保険料を自分で払っているパターンを考えていきましょう。
生命保険はとても有効な相続税の節税対策となる
少し、視点が変わりますが、生命保険はとても有効な相続税対策となりえるのです。いろいろな意味で優遇されていますので、自分の保険料は自分で支払い、自分の所得から控除するのがおすすめです。
たとえば、死亡保険料には非課税枠があります。非課税枠があるので、500万円×法定相続人の数だけ、控除してもらうことができます。また、基礎控除もありますので、3,000万円+600万円×法定相続人の数だけ、相続税の基礎控除になります。これはあまりに多額の生命保険をかけていない限りは、相続税がかなり軽減されるメリットの2つ目となります。
そして、債務控除などもありますので、仮に被相続人が借金をしていた場合など、そして葬儀に使った費用なども、相続税の控除にできます。配偶者の非課税枠も大きく、配偶者に生命保険が渡る場合は、1億6000万円の非課税枠を設定することができます。
仮に、相続を放棄した人がひとりでたとしても、この法定相続人の数にカウントして良いことになっています。そして、預貯金に比べて、比較的早期に受け取ることが可能です。預貯金は死亡後にすぐさま凍結されてしまうので、口座を再開して預貯金を相続するのは、通常かなりの時間を要します。しかし、生命保険は、すぐに受け取ることができるので、なくなったあと何かと物入りなタイミングをこなすことができます。
生命保険の相続税は、争いごとが起きづらい
生命保険は、あらかじめ受取人が決まっているものです。そのため相続財産にはなるのですが、遺産分割協議の対象にはならず、はじめから受け取る人が決まっています。そのため、不要な争いを招かないのです。これは大きなメリットです。どのみち、子供が受け取っても妻が受け取っても、生活費に変わることは同じかもしれませんが、誰の名義で受け取るかによって、控除の額なども異なってきます。そして、誰の名義で受け取るかによって、相続税が大きく変わってくるのです。また、他の財産を分ければいいだけなので、争いごとの種がひとつ減ります。これだけでも大きなメリットではないでしょうか。
遺留分に含まれもしないので、遺言書に書かれていても、法的に受取人だけが受け取ることのできる財産となりますので、トラブルになりません。これは、民法で定められた契約ですので、優先されます。
貯蓄タイプの終身保険がおすすめの相続税対策
定期型と終身型がありますが、終身型でなおかつ貯蓄型の生命保険がおすすめです。定期だと一定期間で保険が終わりになってしまいますし、掛け捨て型だと、死亡しなければその分の保険料がまるで無駄になってしまいます。いまは運用などもうまくなされていますので、保険料にみあった受取金額を受け取るためにも、終身型で貯蓄型にして、少しでも掛け捨てリスクを減らしたほうがおすすめです。生命保険については、不要論などもありますが、基本的に子供が小さいうちは、確実に入っておいたほうが良いでしょう。子供が小さくて貯蓄額や遺族年金の額に不安が残るのであれば、生命保険をかけて、しっかりと受取額を多めにして、将来に備えることをおすすめします。相続税は、妻が受取人の場合、2億2,300万円まで非課税となるので、妻を受取人とするのがおすすめです。
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